育休が終わり復職してからというもの、時間の使い方が激変しました。
まず、仕事中の情報収集(ニュースや購読記事のチェック)の時間はゼロになりました。また、残業ができないため、これまでより短い時間で同じパフォーマンスを出す必要がありました。
そして、趣味や勉強など自分に使える時間の少なさときたら。もうこれは誰しもが感じているので説明不要でしょう。
とはいえ、子供が寝た後に仕事を再開するのは絶対に嫌。だってその時間は自分のために使う聖域だから。
どうにかして、短時間でも仕事の「濃度」を上げて同じパフォーマンスにできないか・・と方法を模索ところ、「ポモドーロ・テクニック」という手法に出会い、復職してから現在まで続けています。今回は、「Focus To-Do」というアプリを使って集中力を高め、維持する方法をご紹介します。
ポモドーロ・テクニックとは
アプリの説明に入る前に、アプリでベースの考え方になっているポモドーロ・テクニックについて軽く触れます。
ポモドーロ・テクニックとは時間管理の手法です。一般的には、25分作業に集中+5分の休憩を1セット(1ポモドーロ)として、4ポモドーロ終了後に30分の休憩を取ることを繰り返すことで、高い集中力を維持するというものです。
ポモドーロ・テクニックは1990年頃に発表された概念で、検索すると詳しい記事がたくさん出てくるためこの記事では深く説明しません。ポモドーロ・テクニックだけで1冊本が書けるくらい深い概念のようです。
Focus To-Doとは
Focus To-Doはポモドーロ・テクニックを実践できる時間管理・タスク管理アプリです。登録したタスクごとにポモドーロタイマーを設定でき、タイマー中はそのタスクに集中して取り組むことができます。
Windows、Mac、iOS、iPad、Androidなどほとんどのデバイスに対応しており、端末間のデータ同期も可能です。

ポモドーロ・テクニックの実践をサポートするアプリは他にもたくさんありますが、筆者は以下の点でFocus To-Doを使うことにしました。
- UIがシンプル
- 端末間で同期が可能(メインはiPhoneで利用)
- 無料で十分に使える機能がある、有料版はサブスクリプションか買い切りで選択可能
無料版だとプロジェクト(タスクをまとめるカテゴリ)を最大3つまで設定できます。筆者は最初無料版を使っていましたが、しばらく使ってみた結果これは長く使うぞと思い、気に入ったタイマー音や背景テーマを選択できる有料版を購入しました。後述する本記事で紹介する使い方であれば、無料版で十分かと思います。
機能や使い方はこの記事では説明を割愛しますが、こちらのサイトが詳しかったです。
ポモドーロテクニックを実践できるアプリ「Focus To-Do」の使い方を徹底解説
Focus To-Doを仕事で使う
コロナ禍だDXだと、筆者の家庭内の事情に限らず、世の中的にもここ数年で働き方が変わってきました。メールやチャット、誰かのTimesなど、1日何度もチェックしなければならないコミュニケーションツールは年々増え、さらに在宅勤務で仕事の合間に家のこともできるようになりました。
筆者はFocus To-Doを仕事で使って2年ほどになります。
元々、筆者はとても気が散りやすいタイプです。ただでさえ周りの状況が気になる上、すぐにチャットをチェックしたくなります。前述の通り、以前より断然気が散りやすい環境に身を置かざるを得なくなったことに加え、仕事ができる時間は限られている・・
そこでポモドーロ・テクニックを実践するためにFocus To-Doを使ってみることにしました。色んな使い方を試し、かれこれ2年継続できています。本記事では、試行錯誤して行き着いた「三日坊主で終わらない、ポモドーロ・テクニックを長く続ける方法」紹介します。
本記事では、Focus To-Doをタスク管理の目的では深く利用せず、タイマー機能をメインで利用します。タスク管理は別のツールで行うことを前提としていますので、ご了承ください。
続けるためのポイント「頑張りすぎない」
とはいっても、万人に共通しておすすめの設定や使い方というのは無いと思っています。
なぜなら集中が続く時間は人によって違うし、会議の数や勤務時間など、一日に集中作業に割ける時間も毎日違うからです。
筆者が最終的に落ち着いたFocus To-Do使い方、それは「ゆるくやる」です。以下でポイントを説明していきます。
最初は自分の適切な集中時間を測るつもりでやってみる
Focus To-Doのデフォルトのポモドーロタイマーは25分間です。しかし、人によって、またはタスクによってはもっと集中に最適な時間があるはず。最適な時間を知ることで、より高いパフォーマンスが出せる可能性があります。
そのためには、「まずはデフォルト設定でとりあえずやってみよう」です。とりあえず25分集中してみて、25分後の自分の状態を把握します。
- 25分より前に集中が切れる。チャットをチェックするなど、気づいたら別のことやっている
- 25分以上集中をしていて気づいたら5分休憩も終わっていた
このような状態が頻繁に続くということは、ポモドーロの設定時間が自分に会っていない可能性があります。5〜10分時間を長く(短く)して次のセットをやってみます。
ちょうど「チャット見たいな」「お茶飲みたいな」と思ってタイマーを見たら休憩時間付近だった、という時間設定がベストではないかと思います。
また、仕事の種類によっても集中できる時間は変わリますよね。
例えば没頭するような仕事は長い集中が続きますし、とても神経を使う仕事はすぐ疲れます。
Focus To-Doはタスクごとにポモドーロを設定できるため、新しい仕事は一度計測してみて時間調節をするのが良いと思います。
これを使い始め最初の1〜2週間は計測を目的としてやってみて、自分の最適な集中時間を探り、設定を変えていきます。
ちなみに、自分で時間を設定することは「フロータイム」というようです。
ポモドーロのその先へ。個人に合わせた時間管理術「フロータイム」のやり方とコツを解説 | ライフハッカー・ジャパン
タスクを細かく分けすぎない
やりたいことは仕事に集中して取り組むことであって、「タスクをリストアップする」ことを目的にしてしまうと、なかなか続きません。
Focus To-DoにはTODOリストとしての機能もあるため、タスク管理として使っても良いのですが、筆者の場合はTODO管理は会社のパソコンでやっているため、同じタスクを二重で登録するのは無駄だなと感じました。そこで、Focus To-Doは複数の作業をまとめたざっくりとしたタスクを設定しています。特に15分以内に終わるような短い作業を1タスクとして登録するのはあまりおススメしません。登録するだけで疲れますし、本来やるべき仕事に時間を割き、1分でも早く終わらせて帰宅する方が良いです。
筆者は次のような使い方をしています。
- プロジェクトも細かく分けない。「仕事」「趣味」「啓発」の3つ。←これだと無料プランでできます。
- 細かいタスクは、「雑多なタスク」にまとめてポモドーロを設定する。目安は「15分以内で終わるタスク」かどうか。


そして、実際やったとおりに記録できなくても、あまり気にしないことです。(例えばSTARTを押すのを忘れたり、進行中のポモドーロタスクとは違うことをやってしまったり)
Focus To-Doはあくまで集中をサポートするツールです。「気づいたら別の仕事で30分経っていた」は、自分が30分も集中できたという証拠なので、そんな自分をまず褒めましょう。
定期的に振り返る
なんのために振り返るか。それは気持ちを維持するためです。そしてこれは意外にとても大事な行動です。
Focus To-Doは完了したポモドーロの実績を集計して可視化してくれる機能があります。
(プロジェクト一覧の右上のグラフのアイコンからレポート画面を表示できます。)

頑張った自分にニヤニヤするのもよし、今週はあまり集中できなかったと反省するのもよし。タスク単位を見直すのもよしです。
要は次にモチベーションをつなげて、「明日もやるか」と思えるようにすることが目的です。
やってみてどうだったのか
ポモドーロの単位で仕事を分割して考えられるようになった
自分の明らかな行動の変化として、1日の最初に計画を立てること、作業時間の見積りを事前にやること、の2つが習慣になりました。
「この作業は1ポモドーロで終わる予定だから、この会議と会議の間にやる」「今日の雑多なタスクは午前中に片付ける」など、パズルのピースを1日の時間枠に当てはめるように、何をいつやるのかを計画します。
もちろん予定通りに行かない日もありますが、おおよそは午前中に雑多なタスクを、午後はメインの作業をする形に落ち着きました。
パフォーマンスが落ちなくなった
昼食前や帰宅前は、疲れなどでガソリン切れのようにスピードが減速してくることってあると思いますが、「帰るまでの残り30分でもう1セットやるか」と、最後のひと仕事が頑張れるようになりました。これは結構貴重な時間で、「あと30分頑張る」を続けると平日1週間で2時間30分、平日1ヶ月(20営業日として)で10時間分の仕事をしたことになります。ダラダラ19時まで残業するよりずっと効率的です。
記録を続けていたらライフログになった
前述の通り、筆者は仕事もプライベートも、大事にしたい時間はポモドーロをセットして取り組むようにしていますが、これを続けていくと、自分が何にどれだけ時間を割いたのかを振り返れるようになります。ポモドーロを回していない時間は家のことや睡眠などです。しかしそれ以外に、明らか無の時間があることがわかります。具体的にはゲームとか、ダラダラネットや動画を観る時間です。自分がいかに無駄な時間を溶かしているかが可視化されるので、自分の気を引き締める原動力になっています。(たまにはいいけどね)
まとめ:集中は維持する、でもゆるくていい
毎日の生活で時間の使い方を改善してみようと思うだけで、それはとても素晴らしいです。
Focus To-Doは何か物事に集中するのをサポートするツール、そして自分の頑張った記録を残し気づきをくれるツールです。でも、記録は頑張りすぎなくていい。ざっくり「この時間は何かに集中していた」ということがわかる程度の使い方で十分だと思います。
今日1日、あなたがどんなことに時間を使ったとしても、帰宅する時や寝るときに「今日も充実した時間を使った」と思える毎日にできれば、それが一番なのですから。