子供が産まれると、写真と動画の量が爆発的に増えますよね。
今、目の前で遊んでいる我が子の手つきや言葉の言い間違いは今だけのもの。全ての瞬間で、子供の成長を残しておきたい。だから日常のちょっとした子供の行動をとりあえずスマホで撮影する…と当然、スマホの容量がすぐにいっぱいになります。
また、じいじやばあばとのやり取りで「さっき撮った写真、後でLINEで送って!」というやりとりがこれまた面倒なのです。送ってもらった写真をダウンロードするとさらにスマホ容量がぁ・・・となります。
このような写真共有や容量管理をラクにするために、私はこれまで子供の写真・動画共有のクラウドサービスをいくつか試しました。その結果、サービスごとに向いている使い方や優れている機能が少し見えてきました。そこで今回から3回にわたって実際に使った、下記3つの写真・動画管理クラウドサービスについて、特徴的な機能、価格、便利な使い方をサービス別に紹介します。
- 家族アルバム みてね(以下「みてね」) 【今回紹介】
- Amazon Photos
- Googleフォト
第1回となる今回は「みてね」です。
本記事は「子供の写真・動画を管理する」「家族と共有する」という利用シーンを想定して紹介しますが、普段の写真を管理したい人にも役に立つ情報も盛り込んでいますので、ぜひお読みください!
本記事では、公式サイトの画像を引用しています。画像は全て2024年7月28日時点のものです。
第2回・第3回の記事はこちら。


クラウドサービスとは
写真などのファイル(データ)を自分の端末から写真共有サービスをやっている企業のサーバーにアップロードして保管・管理してもらえるサービスです。アップロードしたデータはサービス提供企業のWebサイトや専用アプリからログインすることで閲覧します。
利用するメリット
- スマホの容量が節約になる
- 自分の端末でデータを管理する必要がないためですね。データは増え続ける一方ですが、子供の写真は消したくない…しかし外付けHDDにいちいち繋ぐのは面倒だし、昔の写真だってたまに見たいのです
- このメリットだけなら、正直iPhone、Androidを利用されている方はiCloudやGoogleドライブ(これらもクラウドサービス)でも事足りるかもしれませんが、下記2つのメリットがあることで、写真管理サービスを使う意味が出てきます
- 複数人と簡単に共有できる
- 他人がデータにアクセスすることを許可することで複数人で同じ場所を閲覧することができるため、データを個人間でやり取りする必要がなくなります
- アルバム作成機能や検索機能など、サービスならではの機能
- ただ写真を保管しておくだけでなく、クラウドサービス提供企業が専用アプリや管理画面を用意してくれており、独自の機能で写真管理をラクにしてくれます。自分に合った使い方ができるサービスを選ぶというのも、サービスを選ぶ1つの観点です
クラウドサービスの注意点
一応挙げておくと、以下のような点があります。
- 写真はクラウドサービスを提供している企業のものになる
- どの企業も、利用者のデータを預かることに対するポリシーを利用規定として明記しているはずです。初めて利用する際には一応目を通しておきましょう
- サービスを終了する可能性がある
- 運営企業がサービスを終了すると、アップロードした写真にアクセスできなくなります。ただし、突然終了するというよりは別会社に運営を引き継ぐなどしてサービスを継続したり、終了の予告がかなり前に発表され一定の移行期間があるというケースが多いと考えられます
- 情報漏洩するリスクはゼロではない
- たまにニュースで見かけるサイバー攻撃などのリスクですね。間違ってもパーソナルなデータ(例えばパスワードの文言や、個人が特定できる情報など)はアップロードしないようにしましょう
「みてね」の特徴・向いている使い方
子供の写真に特化した写真/動画の管理・共有サービスです。
運営会社は、SNSのmixiなどを手がけるMIXIです。
家族アルバム みてね – 子どもの写真、動画を共有・整理アプリ
「みてね」の大きな特徴としては、下記3点があります。
- 写真・動画が無料プランでも無制限にアップロードできる
- 月ごと・年ごとに写真・動画が自動で整理される
- アップロードした写真から、実物のフォトアルバムやカレンダーの作成を注文できる
実際に利用した経験も踏まえると、「みてね」は以下のような使い方をしたい人に向いていると思います。
- 容量を気にせず使いたい人
- 時系列で写真を整理したい人
- 検索機能はあまり使わない人
- 写真管理や閲覧にはPCよりもスマホをメインで使う人
価格は無料版、プレミアム版(有料)、さらにその上位としてPro版(有料)があります。詳しくは価格の章で説明しています。
では、「みてね」の特徴や機能をもう少し詳しく説明します。
容量
写真・動画は無制限にアップロードできます。 これは本当に「みてね」の素晴らしいポイントです。ただし、無料版の場合、アップロードできる動画の長さは1本あたり2分が上限となります。プレミアム版以上のプランでは、10分が上限となります。
参考:アップロードできる写真や動画に制限はありますか?また容量に制限はありますか?
2024/7/28より、無料版の動画の長さ上限は、サービス改定により3分→2分に変更されました。なお、これまでアップロードした動画は2分以上の動画でも継続して閲覧可能ですまた、2024年秋頃から無料版には画像・動画の詳細画面に広告が表示されるよう変更されるとのことです。執筆時点では広告がどのように入るのかはわかっていませんが、分かり次第更新したいと思います。 更新あり(下記)
私が以前試した結果によると、プレミアム版以上のプランでアップロードした2分以上の動画は、一度アップロードすれば、その後プレミアム版を解約して無料版にプラン変更しても、動画は引き続き閲覧することができました。有料プランを解約しても削除されたり途中で切れることはないので、長い動画をアップロードする際に一時的にプレミアム版を契約する、といった使い方も可能なようです。
また、無料版では写真・動画のアップロードはスマホからのみとなります。パソコンからアップロードする場合にはプレミアム版が必要です。
ということで私も、パソコンから一括でアップロードしたい時や長い動画をアップロードする際に一時的にプレミアム版を契約し、あとは基本的に無料版を使うことで、料金を節約しながら使っています。
とにかくこの「動画も無制限にアップロードできる」というサービスは本当にありがたいです。
私の場合、動画は1分台のことが多いので、この制限は特に気になることもなく使えていますが、2分を超えないように撮ったり、スマホの機能で動画を2分以内に編集することで無料枠に収まるようにするよう意識する必要がありますが、無制限というメリットの方が大きいので、今後も使い続けていくことになりそうです。
追記:プレミアムプラン以外の広告表示について
2024年8月22日に、アプリ内のお知らせで詳細のアナウンスがあり、8月末より無料プラン(プレミアム・プレミアムPro以外)で写真動画のアルバム画面と詳細画面(個々の写真を表示した時)の上部に広告が表示されるようになりました。
お知らせでの画像を引用しますと、下記のエリアです。
家族アルバムみてね アプリ内お知らせ 【重要】「みてねプレミアム」以外での広告表示の開始についてのご案内(2024年8月22日)
詳細画面の方は、元々空いていたスペースに広告が表示されているため、写真の表示エリアの広さはこれまでと変わっていないように見えますが、それなりに存在感はありますね…。
なお、お知らせでのアナウンスによると、「広告カテゴリや内容・商材の選定は厳しく管理し運営していく方針」であり、「興味がない・不快な広告は、広告上の「×」ボタンなどで表示停止やフィードバックが可能」とのことです。
フォルダ・アルバム作成機能
フォルダやアルバムを独自に作成する機能はありませんが、アップロードした時点で撮影日時をもとに月ごと・年ごとに自動で整理されて表示されます。
写真・動画の日時は変更することが可能です。
また、「お気に入り」を分類することは可能で、「お気に入り」をマークするとトップページにお気に入りの一覧として見ることができます。
イベントの単位で好きな写真をまとめることはできませんが、「1歳」など時間の単位で写真や動画を整理したい、という人には便利です。
引用:家族アルバム みてね – 子どもの写真、動画を共有・整理アプリ 月ごとに写真・動画を閲覧できる画面イメージ
共有機能
夫婦間だけでなく、じいじ・ばあば、そのほかの親戚にも共有できます。
共有するときに「スマホ用アプリで見る」「ブラウザで見る」を選ぶことができます。共有される側の人がスマホがない場合や、パソコンをメインで使う場合はブラウザ版で共有します。
また、共有する人ごとに権限を設定することも可能です。「写真のアップロードや削除が可能」「閲覧のみ」などです。
また、写真ごとに「管理者のみ共有」「全員に共有」を選ぶことも可能です。
誰がいつ閲覧したのか(みたよ履歴)も確認できるので、じいじ・ばあばのが元気かどうかも確認できちゃいますね。(しばらくアクセスがないと心配になってしまったり…)
引用:家族アルバム みてね – 子どもの写真、動画を共有・整理アプリ 共有機能:みたよ履歴の画面イメージ
検索機能
無料版では、検索機能はありません。
プレミアム版では、子供一人単位と「みんな」が写っている写真をまとめて見ることができます。お子さんが兄弟姉妹の場合は重宝する機能ですね。
(これは検索機能というよりはアルバム機能に近いですが、子供で検索することはありそうなので検索機能にカテゴリしました)
引用:みてねプレミアム – 子どもの写真、動画を共有・整理アプリ 子供ごとのアルバムイメージ
さらに、Pro版ではコメントから写真や動画を検索できる機能があります(2024年6月に公開された機能です)。私はこちらの機能は使ったことがありませんが、家族がよくコメントをする場合は便利な機能ですね。写真の種類別にカテゴリのように同じコメントをつけることで、「タグ検索」のような使い方もできそうです。
ただし無料版でも、上述の通り月別に自動で整理されているため、「1歳のころ」や「去年の今頃」といった時間で過去の写真を見に行くことは簡単にできます。リアルな世界で子供のアルバムをめくるような感じでしょうか。
その他の機能
その他、「みてね」の特徴的な機能を列挙していきます。
ストックした画像からフォト実物のアルバムやカレンダーを作成できる
上述した機能以外で「みてね」最大の特徴はこれでしょう。デジタルとリアルがつながる、とても便利なサービスだと思います。デジタルフォトブックは、「みてね」側がよさそうな写真を提案してくれるのだそうです。
みてねフォトブック – 子どもの思い出をアプリで簡単フォトブックに
中でも、【写真プリント】というサービスは、全プラン向けのサービスとして、毎月無料で選んだ写真をプリントアウトして送ってくれます。
家族アルバム みてね|毎月8枚無料で写真プリントが届く
引用:家族アルバム みてね|毎月8枚無料で写真プリントが届く
ちなみにこちらの写真プリントは2024/8/1から無料プリント最大枚数が8枚→11枚に増えるという、嬉しい改定をしてくれました!
みてね からのお知らせ — 『8月1日より「写真プリント」の毎月の無料枚数が8枚から11枚に!』
母の日や父の日など特別な記念日にはお花やお菓子をセットで注文するプランもあります。私も祖父母へのプレゼントとして度々活用させていただいています。
「1秒動画」を作成して送ってくれる
みてねが自動で選定した写真や動画を1秒程度に編集してつなぎ合わせ1本の動画を作ってくれ、アプリ内に届きます。無料版では3ヶ月に1本、プレミアム版以上だと毎月1本届きます。
成長のダイジェスト版のような感じで、後から見返すのにぴったりです。1秒動画のイメージは公式サイトが公開している下記をご覧ください。
プレミアム版以上のプランでは、1秒動画の編集が可能となりました。
スマホのホーム画面にウィジェットを配置できる
みてねアプリはウィジェットも充実しています。
「1年前の今日」や「8ヶ月前の今日」などランダムで過去の写真をピックアップして表示してくれます。ついついタップしてアプリを起動し「あれ、1年前こんなに小さかったんだっけ」と、子供との思い出に浸れます。
ウィジェットは複数の大きさのバージョンがありますが、ホーム画面に配置するとこんな感じになります。(白塗りの部分にピックアップされた写真が表示されます)

iPhoneの場合はホーム画面を長押しでウィジェットを追加することができます。Androidの場合は各機種の操作をご確認ください。
iPhone でウィジェットを追加・編集する方法 – Apple サポート (日本)
価格
無料版、プレミアム版、さらに上位ランクの「プレミアム Pro」版もあります。各サービスの違いは公式サイトに分かりやすく載っているので、下記をご覧ください。
みてねプレミアム – 子どもの写真、動画を共有・整理アプリ
価格とプラン別にできることは、2024/7/28のサービス改定により変更となっています。価格面では月額に加えて年額プランが新規に登場しました。価格の変更内容を下記にまとめてみました。
| 月額(変更)
・プレミアム版:480円→590円(/月)
・Pro版:880円→1,090円(/月)
| 年割プラン(新規)
・プレミアム版:5,900円(/年)
・Pro版:10,900円(/年)
まとめ・使ってみた所感
「みてね」は筆者も子供が新生児の頃から使っていますが、いまだに無料版でもそこまで大きく不便ということはなく、筆者が利用しているiPhoneアプリの中では起動時間がかなり上位のアプリです。
また、筆者の両親もアプリで共有しており、しょっちゅう写真にコメントをしてきます。「とても使いやすい、こんな便利なサービスをありがとう」と喜んで使ってくれています。
今回、改定された内容をみると、全体的に無料で提供できるサービスについては一部制限が強くなり、プレミアム版・Pro版で提供する価値を高めているという改定になっています。しかしながら、容量については無料版も変わらず無制限にしてくれて本当にありがたいです。データが増える一方の自分にとってはとても良心的で手厚いサービスではないでしょうか。
さて、次回はAmazon Photosについて取り上げたいと思います。次回の記事はこちら。
